故郷への尽きぬ想いと孤独

年始、品川駅から生まれ故郷へと帰る新幹線の窓外の景色は、静岡を越えて名古屋、そして米原にさしかかったころに白くなり始め、雪の深さとともに、幼いころ何度も繰り返し見た記憶の中の景色へ、徐々に濃度を増して近付いていく。

 

それは過去へと遡る時間旅行のようで、実家が近づくにつれ、幼かったあの頃、県外の世界や大人の世界などほとんど何も知らなかったあの頃の気持ちを呼び起こしてくれる。

 

あの人は今どこで何をしてるんだろう、あの子は元気でやっているのだろうか、遠い記憶の中にある人への温かく柔らかな思いは、あれから倍以上流れた年月の、埋めることのできない隔たりによって、切なさへと変わっていく。あの頃にはもうどう頑張っても戻れない。

 

故郷の家路はいつも切なく、そしてどこか孤独なものだ。

 

実家近くの太郎坊宮

まあ、今年は忙しくて実家帰ってないし、写真は3年前のものだけど。